「まあまあ。文化祭当日は、美姫ちんを
お姫様にしてあげるから!」
「お、お姫様?」
自分にそれを形容されるのはどうしても
違和感があって、顔をひきつらせてしま
う。
王子様になりたいわけじゃないけど、お
姫様になりたいわけでもない。
私、普通の女子高生になりたいのにな…
…。
「なあ美姫」
その日、家に帰ると、不意に山田君が話
かけてきた。
「今日やってた"文化祭の準備"ってなん
だ?」
「……質問の意味がわからないんだけど
。山田君だってニコニコしながら皆と準
備してたじゃん」
あの猫被ったキラキラ笑顔で、女子を騙
してたでしょ。


