呆然としていると、山田君はちょっと不
機嫌そうなまま、ドカッと乱暴にベンチ
に座り、しっかり締められていたネクタ
イを緩めた。
「あーくそ。超疲れた。笑顔ってあんな
に疲れんだなー」
首をポキポキ鳴らしながらそう言う山田
君。
……くそぅ。この本性を今すぐ皆に見せ
つけてやりたい……。
「……山田君、何しに来たの」
「俺はレオンだけど」
「今さらそんなの通じると思ってんの?
」
「や、思ってないけど」
平然とそう言ってのける山田君。
じゃあ今のやり取り、すっごい無駄だっ
たじゃん。
「ていうか、何しに来たのってきいてる
んだけど!」
「仕事をしに来たんだよ」
……いや、どや顔で言われても。


