「嫌に決まって──」
『嫌じゃないです!』
嫌に決まってるでしょ。そう言おうとし
た私の言葉を遮ったのは、クラスの女子
。
……はい?
「レオン君と居るのが嫌だなんて、そん
な馬鹿げたこと、あるわけないじゃない
ですか~!」
「百千さんだって、レオン君に誘われて
、すごく嬉しいハズよ。ねえ百千さん?
」
「さあさあ。二人でゆっくりと校内を堪
能して来なよ!」
次々と女子が矢継ぎ早にそう言うと、私
と山田君を無理やり廊下へと押し出す。
そして──。
『ごゆっくりどうぞ』
と語尾にハートマークがつく勢いでそう
言われて、ドアを閉められた。
「ちょ、ちょっと待ってよ……」


