記憶を失くしたわがまま彼♡






「バトンはこうやって持って………」





尚人くんが色々教えてくれた。






「なんで、そんなに詳しいの⁇」





私が聞くと、






「前、陸上やってたんだ」






と教えてくれた。






陸上やってたんだ………





尚人くんの事が知れたら知れる分だけ好きになってく気がする。






これが好きって事だよね?






うん。
大丈夫、私は尚人くんが好き。









そして、バトンパスもかなり上達してきた。









「よし、じゃあ一回全力で走って通してみるか」





尚人くんが言った。






そして、一回通してみた。






1走目愛香、最初は大丈夫かと思ったけど、尚人くんに教えてもらって随分上達したみたい。






2走目風斗くん、すごく速い、風になってるみたい……






そして私、





風斗くんからのバトンパスの時に言われる






「ハイ‼︎」





の声、






ドキッ





ダメだと分かっていながらドキドキしてしまう……






そして、尚人くんへパス






尚人くんは、風斗くん程じゃないにしても、すっごく速い。





前に陸上やってたからか、フォームも安定している。






そして、ゴール。





タイムは、そこそこいい。






「風斗、バトンパスの時速いからもうちょい抑えられるか?



山下もバトンを置くんじゃなくて捻じり込むように、




美緒は、いいんだけど、バトンが詰まってるから少しだけ速く出た方がいい。




でも、この調子でいったら1位狙えるかもな。」





皆、尚人くんからのアドバイスを聞いて優勝を目指して頑張った。