「おい雪村、」 低い声に、昴はビクッと肩を震わした。 恐る恐る振り返れば、やはり想汰が腕を組んだ態勢で立っている。 「あ、滝さん…!」 亜希子は慌ててぺこりと頭を下げた。 それに軽く手をあげて、想汰は眼鏡の奥の瞳を細める。 昴は顔を背けた。 「安部もいたのか。まぁいい。おい雪村、ちょっと付き合え」 「え?」 「どこに」