また無意識に感傷に浸ってることに気づき、昴は交差した腕の中に頭をいれた。 「昴」 その声にハッと後ろを振り向くが、人がまばらにいるだけで彼が欲した姿はない。 昴は再び海面に目を向けた。 どこかの本で、海を見てると吸い込まれそうになるときいた。 キレイな青だ。 手を伸ばせば海に届くんじゃないかと錯覚してしまう。