「安部さんが気にすることじゃないよ。水谷の強引さには、二年も付き合ってれば、もう慣れた」 「そう…ですか……」 亜希子は心底安心したように、ホッと胸を撫で下ろした。 純粋なその様子に、昴は控えめに微笑む。 「それじゃ、またあとでね」 想汰がなにか言いたげにこちらを見てるのを視界のすみに確認し、昴はできるだけ自然な笑みを作った。 亜希子は少し残念そうな表情をしたが、それでも聞き分け良く「はい」とうなずく。