昴も想汰の後を追うとすると、視界の隅で亜希子が自分を見ていることに気付いた。 自然にしようとしているが、その姿が逆に不自然だ。 昴は無意識に自分の表情が綻んでいたことに気づく。 彼女は、結海と出会うまでの自分にひどく酷似していて話しやすい。 結海ほどではないが、心が穏やかになるのを感じる。 「安部さん。どうしたの?」 自分から話しかけると、亜希子はビクッと大げさに肩を震わし、「え…えっと…」と口ごもった。