そう言って昴は想汰に紙袋を手渡した。

少し小さめのそれは、振ってみると何か重いものが入ってる音がする。


「開けていいよ」

怪訝そうに紙袋を眺めてると、昴が開封の許可を出した。

その顔は微笑みを携えておりどんな感情を隠してるかわからない。


想汰はゆっくりと紙袋の封をはずし中の物を取り出した。

「……………」


中から現れたのは、シンプルな赤い革ベルトの腕時計だった。

針盤には幾何学的な模様が描かれている。


想汰はあからさまに表情を顰めた。