想汰は無言で眉をひそめ、面倒そうに息を吐いた。 「…わからないことがある。なんで船幽霊は『腕』だけなんだ?なんで神崎は『腕』だけになった?」 「想汰さんは、前に言ったよね。人間の想像力は神様さえ産み出すほど強いものだって」 「………ああ。そんなことも言ったな」 昴はふーふーとお茶を冷ましちびちびと飲み始めた。 それを見て、ああそういえばこいつは猫舌だったな…と思い出す。