一月中旬。 想汰は大学のテラスで静かに茶を飲んでいた。 外はお世辞にもよい天気とは言い難く、空は曇天でパラパラと雪が降っている。 「ー想汰さん、」 ふいに聞こえた声に、想汰は視線だけ声の主に向け、 「雪村か」 無愛想に口を開く。