たくさんの女の子に囲まれながらポーカーフェイスを貫く彼をじっと見てると、ふいと顔をあげた彼と目があった。


思わず震えた。
その瞳があまりにも冷たくて、いつぞやの母と似ていたから。

頬杖をついた体勢で固まってると、すぐにどうでも良さそうに目を反らされた。


興味がわいた。
彼に、あの目に。
同時に、何か小動物を見るような庇護欲がわいた。


彼に会って話がしたい。
あの目をする理由が知りたい。

そうして私は、感情のままに雪村昴と接触した。