「…………」


しばらく耐えがたい沈黙が続いた。
たまに波でボートが揺れる音がするくらいで、誰もなにも発しない。

やがて、宮野が痛ましげに首を振り口を開いた。

「…非常に残念だが、そろそろ嵐もひどくなるだろう。さっき救難信号を出したから、もうすぐ近くの船が来る。私たちもそれに、」

「待ってください」