亜希子は信じられないものを見た。 決して小さくはない船が、みるみる沈んでいくところを。 あの船には、昴と水谷が残っていたはずだ。 その船は、船首の部分から海に沈んでいきついには大きな音と波を立てて沈んでいった。 亜希子は口元をおさえただ目を見開いて凝視するしかなかった。 隣では、想汰が眉を潜めながら自分の持つロープと船を交互に見ている。 「……最初から、無理にでも連れ戻せばよかったな」 宮野が気の毒そうに言う。 その言葉に、想汰はさらに不愉快そうに顔をしかめ小さく舌打ちした。