昴の体を自分に寄せ、ロープを引っ張るとその反動が伝わってきた。

水谷は安堵に表情を弛め、さらにロープを強く引く。
するとわずかだが引き上げられる感覚が来た。

そのままズル…ズル…と浮上する。


だが、あともう少しで海面にたどり着く、というところで大きな波が二人をさらった。