「……バカだろ」 水谷の声は震えていた。 泣いているのだろうか。 うつむいてしまってるからわからない。 昴はグッと腕に力を込める。 「う…くっ。……ぁぁぁああああああッ!!」 渾身の力で水谷の手を手すりのところまで持ってくと、彼は意外にも手すりをつかんでくれた。 ホッとして彼の腕を離す。