昴はホッとしたように表情を緩めた。 靴が濡れるのを我慢して、水谷の所まで歩き出す。 「とにかく無事でよかった。この現状見てわかるだろ?早くこの船から出ないと」 「………お前は、」 水谷はうつむき、ボソボソとした口調で昴の言葉を遮る。 昴は本能的になにか彼がいつもと違うことに気づいたのだろう。 足を止め、困惑の瞳を水谷に向ける。