風雨にさらされながら船の甲板に辿り着くと、やはり、いた。 甲板の大部分が浸水してしまってるが、彼と昴のいるところだけは奇跡的にまだ浸水していない。 「――ッ!水谷ッ!!」 今まで聞いたことない大声だ。 自分がこんな声を出せたのかと、自分でも驚く。 「……………昴?」 自分の声に、水谷も驚いたように振り向いた。 彼もびしょ濡れで、少なくとも数十分ほどずっとここいたのだろう。