「…いえ、あの人にとって…彼女から貰ったものはすべて、彼女と同じくらい大切なんだと思います」 どこか悲しい目をする後輩に、想汰は感心したように見て、「そうだな」と頷く。 宮野は訳がわからないようだったが、やけくそぎみに頭をかいて船に残った。 そしてこっそりと想汰に耳打ちする。 「…左舷のバランスタンクが限界寸前だった。あれはどうなってる?外から出せるものではない」