ふと空を見ると、暗黒の闇に包まれており雨足は強くなってきている。 これでは事態もっと最悪になるばかりだ。 「じゃ、想汰さん。安部さんを頼んだ。 できるだけ早く帰るから」 「期待しないで待ってる。待ってるから急げ」 矛盾したことをいう想汰に小さく笑い、昴は亜希子に視線をやった。 彼女は相変わらず不安そうに昴を見上げており、握った両手が震えている。