「……お前頭いいけど、やっぱりまだガキだな」 「は?」 想汰は救命ボートにあった浮き輪からロープを引ったくると、それを昴に投げた。 「命綱だ。どっかに巻いとけ。もし仮にこの船が沈没して、お前が死んだら、お前の遺体だけでも拾ってやる」 「……水谷はカウントしないんだ」 「知るか」 あんまりな言い方に昴は苦笑し、ロープを腕に巻き付けた。