よいしょっとちょうつがいに手をかけ、そのまま倉庫から脱出する。

部屋から出た想汰は、顔色ひとつ変えず、目の前に佇む『腕』を見下ろした。


「本物が、現れたじゃねぇか」




『ご乗客の皆様、速やかに二番デッキにお集まりください。
繰り返します……』