「え?横転って、この船がですか?」 「たぶん…。だって…天井に扉なんて、テーマパークの迷宮じゃあるまいし…」 「それって…やばいですよ!だって…横転って!!この船沈んじゃいますよ!」 「いや…たぶんだけど、もう沈みかけてる。だってほら…聞こえてこない?」 昴は亜希子に耳をすますように促した。 言われて耳の裏に手を添えると、水の音が確かに船内から聞こえてくる。