だが、ザァァ…というノイズが流れるだけで、想汰の声はいっこうに聞こえてこない。 「故障……ですか?」 不安げに聞く亜希子に、昴は「いや…」と首を横に振った。 「霊障…かな?ここに来てやっと幽霊らしいことを…」 おかしそうに微笑んで見せ、昴はさっき襲ってきた船幽霊を思い出す。 腕だけの、異質な生物。 「…………………あっ」