「うっ…」 頬に伝わる冷たい感触に、昴は目を覚ました。 どうやら頭を打ったようで、ずきずきと痛む。 「安部さん…」 はたと気づいて亜希子の姿を探すと、手に柔らかな温もりが感じられた。 見ると亜希子が目を閉じた状態で、しかしキュッと昴の手を握っている。 昴は安堵した。