「今は春輝君が取り仕切ってる、黒龍という関東で5本の指に入る不良チームのリーダーを梓と玲、二人でやってました。ちなみにその時の副総長が春輝君でーす。」



今……凄い事実をさらっとゆるーく言ったよ、梓さん。



ハルが仕切ってる……とな。



あの可愛らしいハルが総長とな。


本当、人は見かけによらないよね。




「それで、ある日、永遠がキレたのー。」


「は?」



そして、そこに話は飛ぶんです。




「今でも思い出すな。

“いい加減にしなさい。私が黒龍に勝ったらこの世界から足を洗う事!”って凄い剣幕で怒られた。」



『……あはは。』




もう笑うしかないよね。


今思えば凄い無謀な提案したな、私。



「黒龍総勢百数人。ある日永遠はふらっと倉庫に現れたの。そして言いました。」


「「私が勝ったら総長達を頂戴。」」


さすが双子。


息ピッタリです!





「まさか……勝ったとか?」


「負けるでしょ、どう考えても。

でも凄いのよー?カミウチの力全開で、永遠自身も強くて。春輝君を一発殴って力尽きたんだよねー。」



「でも、熱意に俺たちが負けて、足を洗いましたとさ。」



めでたしめでたしと締めるけど、私は全くめでたしじゃないのです!!



『じゃあ、ハルさ、初めから分かってた……?私がハルの事殴った奴だってこと。』



そこらへん重要だよね。




「まさか。あの時のとわっちゃんは、フード被ってて顔見えなかったし、あの金属バット空から落とすやつもカミウチの力だって気づかなかったし。」



金属バット落とす……?と東条は目を見開いた。



「でも、前に志紀とやった時に物凄い拳をよけるのが上手くて、あれ?って思って聞いたら水口姉弟の知り合いで、気づいたよ。」



そう言えば聞かれたね。


「美男美女な双子」の存在。