「ダメダメダメダメ!絶対ダメ!」



ハルのいつもの温和な笑顔は完全に消えていて。


理央ちゃんの肩を思いっきり揺さぶって「考え直して!」って言ってる。




「駄目って言われても……もう決まったんだよなぁ。」




「当主はとわっちゃんが可愛くないの?!」

『え、私?』



いつから私の話になったんだ?



「いや、可愛いさ!俺は小学生の時から永遠子を知ってる!あの頃はまだ、これっくらいで……。」



理央ちゃんは親指と人差し指でこれくらい、と表現するけど、私そんなに小さくなかったからね。




「ま、いいだろ。」



纏まらなかった話を纏めたのは静かに事の成り行きを見ていた皐月。



「永遠子はあいつらから自分で身を守れるはずだ。それくらい出来ないで四聖、名乗ってる訳じゃねーだろ。」



な?と同意を求められるから、頷く。




『その松掛さんと相楽さんがどんなのかは知らないけど……私はカミウチ現当主神内永遠子。自分の身は自分で守れるよ。』



それくらい出来ないで、モノ達を守れますか!



「とわっちゃん……。」




ハルは私にぎゅっと抱きついた。



「守るから、何かされたら言うんだよ!」


『うん。ありがと、ハル。』





そんなこんなで千隼君は全国ツアーに旅立ち、



松掛明久君と相楽樹里ちゃんに私は初めて会うことになった。