この人と話してるのが時間の無駄に思えてきた…。


「冷たくなんかありません。普通です。じゃあ、わたし宿題があるので……って、なんですか!?」


居間に上がろうとした、わたしの手をグッと掴まれた。そんな冬弥さんを見上げると、冬弥さんは、クスッと笑うと言った。


「田中くんと付き合えるといいね?」
「………」
「じゃあ、行ってくるね。帰りはどうなるか、わかんないから母さんに言っといてー」


言うだけ言って、バタンと閉まったドア。なに?なんなの?てか、もう今日から住む気なわけ!?蒼甫のことだって、なにも知らないくせに。彼女がいるっつーの!


「冬弥のバカーっ!!」
「愛梨ちゃん!?」
「えぇっ!?」


叫んだ直後、バンッ!!と開いた玄関のドアに、ビクリとカラダが反応した。そして、そこには眉を寄せた千夏さんがいた。


なんてタイミングの悪い…。きっと、しっかりと聞こえたよね…?だってしっかりと、冬弥って名前出しちゃったし…。あー、やっちまったなぁ。


冬弥って、呼び捨てしちゃったし、怒られちゃうかなぁ…?だけど、わたしが想像してたこととはチガった。


「冬弥に、なにかされたのっ!?」
「えっ?」