バタンとドアが閉まる音がして、先に入ってた冬弥さんの背中に声をかけた。


「……オトコ失格とか、どうしてあんなこと言ったんですか」


俯きながらモゴモゴとした声で言うと、冬弥さんはクルリと振り向いた。


高級かどうかは、わからないけどピカピカした革靴が目に入った。


やっぱりホテルの社長ってだけあって、見た目キッチリしてるんだな…。


「スキなんじゃないの?」
「え……?」


冬弥さんの言葉に、バッと顔を上げた。


「オレは愛梨が田中くんのことスキなんじゃないかなぁ、って思ったんだけど。チガウの?」


うそ……。


なんでわかったの……!?


わたし、顔に出てた!?