キケンなアイツとの生活

なんで、そんなことこの人に言わなきゃいけないわけ!?


「愛梨のお兄ちゃんになるんだからさぁ、そういう情報は聞いておかないとね?」


またウィンク…。


この人、実はアイドルやってたりしないかな…。


普通の一般男性は、ウィンクなんかしないと思うんだけど…。


「意味わかんない」


ボソッ、と呟くと急に冬弥さんが車を路肩に寄せ駐車した。


「ここ、家じゃないですけど」
「うん、そうだろうね」
「そうだろうね、って…。じゃあ、なんで停めたんですか」


すると冬弥さんは、ユックリとわたしの顔を覗き込んできて言った。


「愛梨が、なにも教えてくれないからでしょ?」
「……っ、」