キケンなアイツとの生活

素直にわたしが座れば、すぐさま冬弥さんも運転席へと乗り込んだ。


「シートベルト締めれる?できないなら、」
「できますっ!!」


伸びてきた手を思い切り叩くと、声は出さなくても冬弥さんは苦い顔をしていた。


「じゃあ、道案内よろしくね?」


パチッ、とウィンクをされて寒気がする。


そんなわたしに気付かないのか、冬弥さんはユックリと車を発進させた。


なんか、変な感じがする…。


パパが運転する時と、景色がチガウ。


……だって、今わたしは右側に乗ってるんだもん。


冬弥さんの車は、高校生のわたしでもわかる。


普通の車じゃない…。


見た目も真っ黒で、ゴツイわけでもないのに、威圧感があってなんとなく近寄りたくない。