「ごめんなさい……」
「愛梨ちゃんは悪くないわ。悪いのは冬弥」
「いやいや…冬弥さんだけが悪いわけでは……」


受け入れたのはわたしだし…。それでも、千夏さんは譲らない。


「そんなことないわ。なにがあっても、付き合ってもいない男女がするのは間違ってるわ」
「………」
「愛梨ちゃん？泣いてるの？ねぇ、ホントにキスだけで終わったの？！」


あー、千夏さんは勘違いをしている。わたしの涙の理由（わけ）を完璧に勘違いしちゃってる…。


「ち、チガイますっ、冬弥さん…わたしのこと、大事って言ってくれて…。でも好きとは、言われてない…。なんのために、わたしされたのかな…。イヤじゃなかったのに……」
「愛梨ちゃん……」
「千夏さん！わたし、変ですか？！昨日好きな人と彼女のことで泣いてたのに、冬弥さんといるとドキドキするなんて……」


やっぱりわたしは、おかしいのかな…。ドキドキするなんて……。


「愛梨ちゃん…。そんなことないわ。きっと恋って、そういうものだと思うわ」
「千夏さん…」


恋って、そういうものなのかな…。わたしこのまま、冬弥さんのこと、好きになっていいのかな…。


「ねぇ、愛梨ちゃん。今日は一緒にごはん作ろうか」
「え？」
「冬弥ね、肉うどんとシュウマイが好きなのよ。どう？一緒に作らない？」
「つ、作る！！」


千夏さんの提案で、冬弥さんの好きなモノを作ることになった。