何度でも

階段をゆっくり降りた。


そんな時、下のほうから足音が聞こえた。誰かが上がってくる。


だけどまったく何も気にせずにいた。


だったけど…。


……あ。


上がってきた人は、まさかの圭吾だった。


思い切り目が合った。


でもお互いにパッと目を逸らす。


…あぁ、やっちゃった…。それに、逸らされちゃったよ…。


心の中で落ち込みながら圭吾を通り過ぎて行った。


…これが、当たり前なんだ。落ち込むな、私…。


そのまま歩く。