「相手のことを思ってとか、ホントにそうなの?本人にそう言われたの?」


「…言われてないけど……」


「だったらわかんないでしょ?逆に咲良がそんな風にしてるほうが迷惑なんじゃないの?」


美月の言葉が私に容赦なくグサグサくる。


でも、美月には私の気持ちがわかるっていうの?


なんにもわからないくせに、いろいろ言わないでよ!


怒りが沸々と湧いてきた。


「…美月には、わからないでしょ?私の気持ち…私がどれだけ苦しんでるか…」


「そりゃ、わからないわよ」


「でも」と何か言葉を続けようとしていたのを私は遮って、


「だったら何も言わないで…!」


そう怒鳴った。


まだ全員が登校してきていないから人数は少ないものの、私が怒鳴ったから教室にいる人たち全員がこっちを見た。


美月は突然怒鳴った私に驚いたけど、すぐに


「あっそ。だったら何も言わないわよ、勝手にしなさいよ」


と言って教室を出ていった。