「きゃぁっ、アズ様! おはようございます」 教室に入っても、挨拶ラッシュは続く。 「おはよ、沙織。いつも早いねー」 あたしももうちょっと早い、人が少ない時間に登校したいんだけど、何せ洸が起きないもんで。 おかげでいつもHRギリギリ。 今日のHRは、体育祭についてだった。 「へぇ、5月に体育祭をやるんだ」 「うん。球技大会も兼ねてるから、いろんな種目があるよ。 それに……」 HR中、こそこそと洸と話す。 先生はそれを横目で見て、仕方ないわね、とでも言いそうに微笑んでくれる。