「あー!! 橘さん!!」
教室に入って一番最初に見つけた顔、橘さん。
彼女は、橘沙織と名乗った。
そして、あたし達のことを……洸様、アズ様と呼んでくる。
それはなんでか、みんな同じで……。
入学式での騒動のせいか、洸は元より、あたしまで人目を引いてしまったよう。
そのまま騒いでいたら、すぐに担任の先生が来た。
担任は、ちょっと横に大きい、俗に言う「お母さんみたいな」女の先生。
笑い方がやわらかくて、正直好印象だ。
席は、名簿だからあたしの2個前に洸が来るはずだけど、なぜかみんなで調整してあたしと洸が隣になるようにしてくれた。
洸とあたしが並ぶと、萌えるだとかなんとか。

