「わ! 本当だ。よかったねー!」
やっぱり、中等部出身じゃないというのは、孤立しやすいんじゃないかと思ってたから、正直うれしい。
「うん、本当に」
洸から返ってきた微笑にはまるで、「他のクラスで口を滑らせないように監視できてよかった」と言っているようだったが、まぁそれはいい。
「寮からも割と近いし。よかったー」
「近いって……エレベーター完備の校舎で何言ってるのさ」
わがままな。
「私たちにとっては辛いのー。じゃアズ。教室行く?」
今日の日程が書いてあるプリントをひらひらさせながら、洸が聞いてくる。
「うん!」
わがままじゃないし、と数歩先に行ってしまった洸に小走りで追いつく。
これから一年間過ごす教室。
どんなクラスメイトがいるんだろう……。

