高速でテンパるあたしを、左手でしっしっとしながら今度は毛先をいいじる洸。 むー、と洸を睨んでから、あたしは半端なく緊張して立ち上がった。 みんなの視線が突き刺さる。 表彰なんて、武道大会と中学最後に9ヵ年皆勤を受けたくらいしかないし……! さっき意気揚々と歩いたばかりのレッドカーペットを、今度は背筋を縮こめて通った。 ・ : : ・ あいつ、バカか……? 右手と右足一緒に出してやがる……。 今時あんな緊張の仕方するやついるのか……!?