『登壇してください、桜木梓様』




……あたしを!?




思いもよらぬ事態に、ぽかんとするしかないあたし。


ど、どうすればいいのか分からない。



「こ、洸ッ! あたし、どうすべき!?」


「んー? 登壇しろって言ってんだから、舞台上がったら?」


爪をいじりながら、まるで他人事のように言う洸。



そうですよね……!


他人事ですよね……!



「じゃああたし……行くよ!?
 行っちゃうよ!? いいのッ!!?」


「いや、行けよ」