「やべ……!! 入学式ッ!!」 ……時計を見ると、8時5分。 終わった…………!! 思わずその場にしゃがみ込む。 え、どうしたらいいの? 「大丈夫! 事情を話せば、きっと分かってくれます。 私、橘と言います。急ぎましょう!」 慌てるあたしに、しっかりと言い聞かせる橘さん。 自分のがひどい目にあったのに、これがお嬢様の育ちのよさの成せる業なのだろうか。 「あぁ。ありがと。 あたしは桜木梓。よろしく!」 軽く手を合わせて、走り出した。