そして男の膝裏に足をかけ、宙を舞う。 地面に叩きつけたとき、少しだけ地面が揺れた。 「……大丈夫。怪我は?」 手をはたき、足元で伸びている男を無造作に蹴飛ばす。 「な、ないです……ッ。 ありがとう、ございました!」 長い髪を振って、頭を勢いよく下げるその子。 『緊急速報――――……。 校内に、不審な男が侵入しました―――――……』 放送が、誰もいない廊下に響き渡る。 誰もいない…………。