泣き叫ぶ女の子の口を無理やりふさぐ。 そんな人間として最悪な行為を見て、あたしは無意識に相手の男の腕をつかんだ。 「……放せよ、その手」 ギリ、と腕を握った手に力を込める。 「な、何だよお前っ!!? いつの間に……!!」 明らかに動揺してる。 まったく、同情する余地もない。 「……放せっつってんだろ。 女泣かせて……てめぇそれでも男か?」 自分でも意識していないうちに、男を全力で睨んでいた。