「この学校、衛兵少なくて。不審者がたまにいるんだ。
当然不審人物が入ったら、監視室が全校放送流すんだけど、それまでに時間がかかって。
そんで、まだ放送かけられてない不審者をその子が見つけちゃったんじゃないの?
……っておい、アズ?
や、やめろ。おい!!」
現実離れしてる洸の話を聞き終わる前に、あたしは走り出していた。
声がした方向、それだけを頼りに走ってきたが、その子はすぐに見つかった。
1分も走っていない。
ニット帽とめがねを身につけた長身の男は、女の子の手を無理やり引いていた。
「嫌ぁ!! 誰かぁぁ!!!」
「……叫ぶな! 計画が潰れるだろうが……」

