まじめな顔でそう言う男。 ありえない言い訳に、怒るを通り越してあきれる。 「くだらない嘘はいいから。洸はどこ!?」 「だから……俺が…………!」 あたしに技をかけられているせいだろう、手が痙攣してる。 その手が伸びていく枕元には…… 「……えっ、何これ」 大量の、髪の毛。 「……俺のだよ」 それはカツラだった。 ……あたしが部屋を出たときには、こんなのなかった。 驚きから、体の力が抜ける。