洸の言うとおり、大浴場にはたくさんの女の子がいた。 温かくて、確かに居心地がいい。 ついうとうとしてしまった。 だからあたしは聞いていなかった。 「……ねぇ、この人かっこよくない?」 「ホラ、あれだよ。編入生の……」 「え! じゃあ、頭もいいの!?」 女の子たちの、そんな恐ろしい呟きを。 そして、うとうとしていたとはいえ、髪も短いあたしは、他の女の子より早く上がる。 まだあまり人のいない脱衣所で、なんとなく洸のことを考えていた。