「……母さんに、紺って呼ばれた」


「うん……」


「Witticismだって、立て直したよ」


「……、うん!」



何年ぶりだろう、紺の体温は。


それを少しでも感じたくて、強くしがみつく。




「……あと俺に足りないのは、


 ……アズだけなんだ」



「……ばかぁ……!」



もう泣かない、そう決めた日から流していない涙。


それがもう止まる気がしない。



紺はそっとあたしの耳元にキスをした。


そして……。