「何買うの?」
「雑誌です! 半年くらい前から、ある雑誌でコーナー構えた人がいまして……。
その人の大ファンなんです、私」
「あぁ、あの雑誌? あたしも毎月買ってるよ。
今月号もう出てたんだ! あたしも買わなきゃ」
見つけた雑誌の表紙の右上、載っているのは紺の顔。
「かっこいいですよねー……紺さん。
……あの、こんなことアズ様に言っていいのかわかりませんけど。
なんか……彼の顔見ると、洸様を思い出すんですよね……」
「……!」
写真を見て微笑みながら、静かに言う沙織。
紺……本当だね。
クラスのみんなは、紺のことを紺という人と見て接してくれてたんだ。
「うん……あたしもそう思う」