アズへ。
突然いなくなった俺を許してください。
……なんてありきたりな文から始めてみようか。
俺は、フランスに行くことにしました。
今母がフランスにいます。
その知り合いで、デザイナー界の権威である方にしばらく教えを乞うことにします。
桜花での生活はすっごい幸せで、ずっと過ごしたかった。
だけど、俺が前に進むには……"俺が紺だ"と母親に分からせることだと思います。
アズなら……分かってくれるよね。
帰りがいつになるかは分かりません。
帰れないかもしれません。
俺がフランスに行くと決心させてくれたのも、
そんな俺の決心を揺らがせたのも
すべてアズの存在でした。