……でも先に歌いだしたのは、鼻ではなくお腹だった。 「何アズ、お腹すいたの? ……あぁ、もう12時過ぎてるのか」 洸が笑いながら聞いてくる。 洸の勉強机の上に、白い置時計があった。 洸の私物なのだろう、すごい可愛い。 「そろそろ食堂行く?」 お財布を持って笑いかける洸。 「うん! ……あ」 あたしは洸のお財布に何か光るものを見つけた。 近寄ってみてみると、それは写真をキーホルダーにしたもので。 可愛らしい、10歳かそこらの男女が写っていた。