「……梓ちゃん」
いつの間にか隣に来ていた興絽さんが、静かにハンカチを差し出してくれる。
「……ありがとう興絽さん。
興絽さんから聞かなかったら……あたし本当に後悔してた」
心配させちゃいけない、と笑って見せるも、涙は止まってくれない。
グレーのハンカチがどんどん色を変える。
そんなあたしを見て、小さくため息をつく興絽さん。
「……紺さんに怒られるかなァ」
なんて呟いて、すっとあたしの肩を抱いた。
そしてそのままあやす様に、ポンと頭を叩く。
「うわぁぁぁ……ッ」
そんな優しくしないでください。
興絽さんの気持ち、分かってるつもりです。
……出会った時から、貴方には優しくされてばかりなんだ。

